-
2025年12月8日
論文がアクセプトされました。”Umeda M, Lamiaa M, Umetsu A, Otsuka M, Endo Y, Shimizu T, Fukui S, Sumiyoshi R, Koga T, Kawakami A. Potential Link Between COVID-19 Infection/Vaccination and the Onsets of TAFRO Syndrome and Idiopathic Multicentric Castleman Disease. Immunol Lett.”
【梅田助教のコメント】
希少疾患とされるTAFRO 症候群の患者さんがCOVID-19 パンデミック期に同時期に複数人入院されたことを経験したことにより着想した研究です。2014〜2024年の 当院でのTAFRO 症候群/iMCD 25例の発症数を解析したところ、パンデミック前の年間平均発症数は1.3 例からパンデミック期は 3.9 例へ増加し、特に TAFRO症候群では0.4 例から 2.4 例と顕著に増加していました。パンデミック後の TAFRO症候群13 例中 4 例は COVID-19 ワクチン接種後 4 週間以内の発症であり、4例全例が ICU 管理を要するなど重症化がみられました(p=0.02)。疾患認知の向上などの交絡因子がコントロールされていないデータですが、COVID-19 感染・ワクチン接種がTAFRO 症候群/iMCD発症に関与する可能性が示唆されました。COVID-19 ワクチンは感染拡大や重症化予防に重要な役割を果たしますが(筆頭著者は毎年接種を受けています)、接種後に発熱や浮腫などの初期症状がみられた際には TAFRO 症候群を念頭に置くことが必要であると考えられます。
梅田助教の紹介ページはこちら。